マジシャンをしていると海外の方にマジックをお見せする機会があります
マジックは目で見て分かるエンターテイメントなので多少言葉が通じなくても何とかなるからです
そこであることに気づきました。
インドから来た方のグループには1人か2人、妙にマジックに詳しい方がいるのです。特に、ある"A"というマジックの仕掛けを知っているのです。仕掛けがバレたとかではなく、道具を出した段階で演じる前からすでに知っているのです。そういうことが場所も時期も違う機会で3回くらい続きました
どうしてだろうと考えたとき2つの可能性が思い浮かびました
1.その人がマジシャンである
マジシャン、もしくはマジックを趣味にしている可能性もあるけれども、他に演じたマジック、BやCについては全く知らなかったのです。マジシャンならBやCについても知っていそうなのにと何だか附に落ちない。
2.インドではそのAというマジックは普通の人も仕掛け知っているほどポピュラーである
きっとインドの日常には日本とは違うマジック事情があるに違いない。そう思い調べてみると、ある本にたどり着きました
「マンゴーの木」by 山田真美さん
種子から一瞬にして大きなマンゴーの木を生やしてしまうという伝説のマジック「マンゴーの木」を演じるストリートマジシャンの噂を聞き、ぜひ見てみたいとインドで探すうちにインドに住むことになり8年かけてようやく探し出したという実話。
1990年代、まだインターネットも無く、電話も繋がりにくいインド。
当時のインドにもエンターテイメントとしてショーアップされたマジックショーももちろんありましたが、「マンゴーの木」を演じるのはストリートマジシャン。つまり昔からの呪術的な雰囲気のする神出鬼没の大道芸。
電話も持っていないし、どこに住んでいるかも分からない、マジックをする場所も決まっていない。そもそも実在するのかも怪しいマジシャンを探し出す旅に、一緒に冒険しているかのようなワクワク感でした。
動画がそこまで普及していなかった頃は「こんなマジックを観た!」という口コミや噂だけでどんなパフォーマンスなのか全貌は分からない。ストリートマジシャンを探し出す過程も含めて、本物を目の前で観たときは相当強烈な体験だったんだろうな。
今は検索すれば大体のことは調べられるけど、昔に比べて不思議なことが減っちゃったのかもしれません。
不思議なままの部分も残ってほしいけど、時代はどんどん進んでしまったのです。インドに行かずとも「マンゴーの木」をYou Tubeで見れる今の時代はラッキーだけど、もし実際に見ることができた時には感動が少し減ってしまうのだろうか。
でもこの本で描写されていたマジックとYou Tubeに投稿されていたマジックは少し違うような気がする。もしかしたら本当の魔法を使えるストリートマジシャンがインドのどこかに隠れているのかもしれない。インドは奥深いのだから。
というわけで、なぜ"A" のマジックをインド人は知っているのかについての謎は解けずじまいですが、めちゃくちゃ面白い本なのでぜひ読んでみてください!
今後もインドのマジック事情について調べてみたいと思います♪
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